ラーメンがつないだ「母の味」と「今の自分」

言わずと知れた札幌の超有名店「けやき」その本店に足を運んだ。

店に着くと早速行列ができており、本を読みながら列に並ぶ。

右上のダクトから流れる野菜を炒める香ばしい香りに包まれながら、黙々と本を読み、いざその時を待つ。

一般的にラーメンといえば、麺とスープがメインであることは疑いようがないのだが、俺は味噌ラーメンの上の炒めた野菜がたまらなく好きなのである。

事前情報によると、ここ「けやき」は、野菜炒めが上にのっている味噌ラーメンの最上級であるらしい。

味噌自体、発酵食品で体にいいし、野菜たっぷりな具材も体にいいことは言うまでもない。

おいしさと健康が共存している体に優しいラーメンなのである。

そんなことを考えながら待っていると席に案内された。

もちろん私が頼んだのは「味噌ラーメン」である。

中に案内されると、野菜を炒めている香ばしい匂いがなんとも心地いい。

俺は昔からラーメンが大好きで、よく親戚のおじさんからラーメンセットを送ってもらって母親に作ってもらったラーメンを喜んで食べていた記憶がある。

昔からラーメンが大好きで「何が食べたい?」と聞かれたら「ラーメン!」と必ず答えるくらいラーメンの虜だった。

その中の思い出の一つに「西山製麺の味噌ラーメンセット」もあり、母親がにんじんや玉ねぎ、キャベツなどたっぷり炒めて味噌ラーメンの具材にして出してくれた。

たっぷりの炒めた野菜はスープに溶け込み、旨みや甘さを引き立て、幼いながらもそんな味噌ラーメンが大好きだった。

ーーーーふと昔の思い出に浸っているとラーメンが着丼したーーーー。

まずはスープから。

「野菜の旨みが最大限スープに溶け込んでいて、味噌の濃厚さも相まって最高にうまい!」

「これは全世代に愛されるラーメンに違いない!」

そんなことを脳内で独り言を言いながら夢中に麺を啜っていた。

もちろん、麺は黄色味がかったちぢれ麺である。

やっぱり味噌ラーメンの具は野菜炒めだよなと一層実感しながら、麺とスープを交互に食し完食。

色々なラーメン店に通ってきたが、大切な思い出と現在が重なるラーメン店はたまにある。

まさに一杯のラーメンが過去の自分と今の自分を繋ぐ瞬間というのが確実に存在する。

そんな時にふと思うのが、「至福の一杯を食べられることへの感謝」と「ここまで育ててくれた両親への感謝」。

ちょっと大それたことを言っているように聞こえるかもしれないが、ラーメンとの出会いにより人との出会いに感謝する瞬間が確実にあるのだ。

そんな出会いに期待しながらラーメン店に足を運ぶ自分がいる。

人と人は繋がっており、人と人を結ぶのはラーメンなのかもしれない。

そんなことを思いながら店を後にした。

ーーー出会いは思い出という財産に形を変え、人生を豊かにしてくれるーーーー

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