インスタントじゃない情熱を――安藤百福に学ぶ“後半戦”の生き様

『安藤百福 250の言葉』 安藤百福 中央公論新社

みんなが絶対に一度は口にしたことがある「チキンラーメン」。

世界で初めて即席麺を発明した人であり、ラーメン好きなら歴史として絶対に押さえておかなければいけない人である。

この本は、安藤百福が残した名言を250個掲載している本であり、それぞれの言葉についてはあえて解説をしていないスタイルである。

つまり、その言葉の解釈については読者に任されているので、どのように解釈するかはその人の今まで経験してきたことなどによって変わってくる。

その中で、俺の中で「そうだよなあ」「奥が深いなあ」「こんな視点を持っていたんだ」と心に残った言葉がいくつもあるので俺なりの解釈を加えて記事を書きたい。

まず、安藤氏が世に「チキンラーメン」を広めたのは40代の後半になってからである。

正確には48歳にして世界初の即席麺を世に出したのである。

よく考えてみてほしい。

周りでは「40歳を超えたら転職できない」「40歳になったら一気に疲れやすくなった。」「もう歳だから後はのらりくらりと年金をもらうまで適当に働きたい。」

こんなことを言っている人が体感で99%いる。

安藤氏は、このチキンラーメンを世に出し日清食品を立ち上げるまで苦労の連続だったらしい。

戦時中に憲兵隊から拷問を受けたり収監されたり、全財産を失ったり・・・と壮絶な人生を歩んでいた。

しかし、人生を諦めずに48歳で大きな花を咲かせたのである。

しかも、61歳でカップヌードルを開発し、95歳で宇宙食ラーメンをNASAに提供と人生の後半の輝き具合が半端ない。

安藤氏について知れば知るほど「人生は捨てたもんじゃない」「いつからだって人生を輝かせることはできる」と心の底から感心する。

この本の中で特に心に残ったのは「人のやらないことをやれ」「企業はチャレンジしないと、同じところに留まってしまう。人生も同じである。」という2つのフレーズである。

人と同じことをしていたのでは埋もれてしまう。いや、同じことをしていたのでは退化してしまう。

現代風にアレンジするならば、人生に対して危機意識を持ちながら挑戦していかないと、現状維持どころかどんどん時代に取り残されてしまう。

昔は、大手企業に入れば人生は安泰だったかもしれない。

しかし今の時代は、大手企業に入っても人生が安泰とは言えない。

最近も企業業績が絶好調な大企業でも、リストラを行い大鉈を振るう時代である。

大手企業に入って、そこで何を考え何をしたかが求められる時代なのである。

安藤氏がいうように、「人のやらないこと、つまり新しい道を探しながら挑戦していけば道は開ける」と言っている。

つまり、いろいろなことにアンテナを張りながら、いろいろなことに挑戦していく。このサイクルを繰り返せば、安藤氏のように人生を輝かせることができる確率は大きく上がる。

ーーー人生に遅すぎることはない。偉大な即席麺の発明者「安藤百福」が教えてくれたーーー

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