初投稿「ラーメンは、人生だった——『一条流がんこ』との邂逅」

1 はじめに

みなさんはラーメンにどんな印象を持っていますか?

私にとってのラーメンは「人生そのもの」なのです。

一番好きな食べ物で感動や楽しみや思い出を与えてくれる唯一無二の食べ物。

それが麺食一郎にとってのラーメンという存在です。

昔、高校生の頃、2週間程入院していた時に両親から退院後に何を食べたいを聞かれた時も、迷わずラーメンと答えていました。

高校生の頃の時間の感じ方は、大人になってからの3倍くらいに感じていたので久しぶりに食べたラーメン(具のたくさん入った長崎ちゃんぽん)は涙が出るくらい美味しく感動した記憶があります。

人生の中で大切な思い出の1シーンにラーメンが彩りを与えてくれた1例を挙げましたが、ラーメンの私に対する影響は枚挙にいとまがありません。

そんな私がラーメンのブログを始めようと思ったのは、前述しましたが「ラーメンに向き合ってきた自分=私の人生そのもの」。ラーメンを語ることは、自分の人生を語ること。

私はたいした人物ではありませんが、ラーメンの持つパワーを感じてきたし信じています。

皆さんと一緒にラーメンの素晴らしさを感じながらブログを楽しんでいただければ幸いです。

2出会いの背景

星の数ほどあるラーメンの中で、毎週のように通って今でも一番美味しいラーメンの店を聞かれたら「一条流がんこラーメン総本家」と迷わず答えるだろう。

この店を知ったきっかけは「ラーメン大好き小泉さん」という漫画があってそれの実写版をテレビで見たことがきっかけだった。内容を要約すると「悪魔ラーメン」というしょっぱさMAXの注文方法があって、ハマる人は禁断症状が出るくらいにハマる魅惑のラーメンとのことであった。

暗黙のルールとして「悪魔」は初見の注文はオススメされていない。それに倣って、まずは普通のラーメンを何回か食べて、慣れてきたら「悪魔」を食しよう。

こんなことを考えながら電車に乗り、東京の四谷三丁目駅から少し歩いたところにその店はあった。

開店前に着いたが20〜30人程は既に並んでおり、牛の顔だけを骸骨にしたオブジェが店の入り口に飾られていた。

30分から60分は待っただろうか。とうとう「人生で一番美味かったラーメン」と出会うことになる。

3一杯との対話

「いらっしゃいませ!」

伝説のラーメン店は、老夫婦によって営まれていた。

元気のいい男性店主が麺を茹でスープをどんぶりに入れ、奥さんは盛り付けや勘定を主に行なっているようだった。

先に並んでいた人の注文を聞くと「下品大盛で」「上品特盛で」「悪魔で」などの独特な表現での注文が飛び交っていた。

初見では明らかに困惑するであろうこのコールも予習済みだったので、最初の一杯は「下品大盛り」にした。

簡単にコールについて説明すると「上品=透き通ったスープ」「下品=濁ったスープ」「悪魔=下品をベースに極限までしょっぱくしたスープ」「100=カエシを入れてない素材そのままのスープ」と主にこんな感じだったと思う。また曜日によって「スペシャル」と呼ばれるその日限定のラーメンを出す日があり、その日は「下品=スペシャル」ということになる。

スペシャルも日によって具材が変わり記憶にある中でも「貝柱、カニ、牡蠣、スッポン、ウミガメ」などがあった。ちなみにウミガメを人生で初めて食べたのがこの店ということになる。

まず、初めて食した下品の感想は「うまい!うますぎる!しかしこの味は何て表現すればいいんだろう。ここでしか食べられない味。今まで食べたラーメンの中で初めての味。」私の頭は感動と疑問が入り混じり混乱していた。

例えるならば、イカのスルメをベースとした味にその他の食材そのものの味が乗っかっていると表現すればいいだろうか。トッピングの豚肉も味が染みていてしょっぱいがこのしょっぱさがクセになる。ちなみにこの肉は悪魔肉と呼ばれている。卵もシナチクもネギも全てが調和し麺とスープを引き立てている。デフォルトでこの具材の多さもこの店の大きな特徴であった。

麺はスープによく馴染むやや細めのストレート麺。スープとの相性は抜群。すっかり私はこのラーメンの虜になっていた。

そして、麺を食した後、スープまで飲み干し帰路に着く頃にもまだスープの余韻は口に残っており、幸せな時間を長く楽しむことができた。

4なぜ「人生のラーメン」なのか。

自分のスマホの中に残っている写真の中で3枚(うち1枚は悪魔で別の記事で)だけ残っていたのでそれぞれ説明したい。

まず、この写真のどんぶりの色が赤と白に分かれているが、記憶が正しければ白のどんぶりは特盛で赤のどんぶりは大盛りである。

また、スープも透明に好きとおった清湯系のことを「上品」、濁り系のスープを「下品」と客は呼んでいた。

写真でいうと白のどんぶりは「上品」である。

ある日、特盛を食し、スープまで完飲し余韻に浸っていると店主から「特盛でスープまで飲み干したのか。すごいね〜」と言われ、何やら長方形のカードをもらった。

世間で言うところの名詞である。

ラーメン屋で名刺をもらうのは初めてだし、何よりこんなおいしいラーメンを作る店主から名刺をもらうのは誇らしくもある。

そして、この日から「麺食道・高段者★黒帯」と認定された。

小さい頃に夢中で集めたビックリマンシールはいつの間にか現物は無くなり、心の中だけのものになってしまったが、この名刺は今でも私の宝物である。

このブログを書いているときに気づいたのだが、麺食という単語がこの名詞に書かれていた。

私はブログを始めるにあたり、私の分身である麺食一郎という名で活動しようと決めたが、この名刺からヒントを得たわけではない。

また、今まで食べた中で一番美味しかったラーメンを一番最初の記事に書こうと思ったのも運命を感じる。

大好きだったラーメン屋の店主は、今は引退してしまったが店自体は残存していると聞く。

ーーーーーー−−「麺食道」−−ーーーーーー

本当に偶然なのだが、久しぶりに見た名刺から「麺食一郎よ、自分の道で頑張れよ!」と励まされているような気がした。

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