「アブラカダブラ」という呪文と油そばの物語の始まり
「アブラカダブラ、俺をうまい油そばと出会わせてくれ。」
西洋の魔法・手品でよく使われる「魔法の呪文。」
「アラジンと魔法のランプ」の物語では、ランプの精を呼び出す呪文として使われている有名な言葉でもある。
一説によると、古代の言語アラム語の言葉に由来するとされ、「私は言葉のごとく物事をなせる」や「私が言うとおりになる」という意味があるらしい。
そんな、ラーメン激戦区「船橋」に突如現れた新生「油カダブラ。」
店主が99%まで完成させた一杯の油そばを、客が「7つの卓上調味料」で100%に仕上げるスタイル。
100%への仕上げ方には正解はなく、一人一人の中に正解がある。
その答えを導く過程について、美味しく試行錯誤しながら楽しめる。
そんな「自分だけの最高の油そば」を探す物語をこれから綴りたい。
それでは、いってみよう!
TRYラーメン大賞で知った「油カダブラ」
講談社MOOKから発売されている「第26回TRYラーメン大賞」の雑誌を手に取ると、気になる店が掲載されていた。
「TRYラーメン大賞新店部門 第1位 油カダブラ」とある。
オマール海老の芳醇な香りが魅惑的な自家製香味油を使っているらしい。
見開きのそのページに見入って読み終わった後、気づけば「油カダブラ」へと向かい歩みを進めていた。
店への道のりと食券購入
電車を乗り継ぎ、JR船橋駅に降り南口へと向かう。
交番を右手に、道なりに進み、5分もしないうちに店の前に着いた。

並びは4人ほどだったが、事前に自販機で食券を買うシステムなので、自販機でどの油そばにしようか考えていた。
「油そば、カレー油そば、背脂油そば・・・うーん、悩むなあ。」
油そば専門店なだけあって、油そばの種類も豊富である。
また、トッピングも「味玉、生ニンニク、メンマ、ほうれん草、ネギ、きくらげ・・・」等、かなり充実している。
「特製+商品名」のボタンを押せば、トッピングの充実した油そばを注文することができる。
例えば、カレー油そばを例にすると「特製カレー油そば(200g)」と「カレー油そば(200g)」といった具合だ。
300gでも全く同じ。
ちなみに麺の量が200gと300gのボタンがあり選べる仕組みになっている。
とても贅沢な悩みであったが、まずは気になっていた「カレー油そば(300g)」の食券ボタンを押し店員に渡した。
さあ、「カレー油そば」とのご対面が楽しみだ。
「カレー油そば」実食レビュー
いざ「カレー油そば」が着丼。

カレーの芳醇な香りに包まれながら、その香りに食欲を刺激され、麺の上に乗ったチャーシュー、ほうれん草、メンマ、ネギ、きくらげ等のトッピングがさらに刺激を増幅させる。
まずは、麺から。
自家製香味油と特製カレースパイスの二つの旨みがムチッとした食感の麺と絡み合い、俺の旨みセンサーが反応する。
よくよく考えてみれば、カレーライス、カレーうどんは食べたことあるけど、カレー油そばは人生で初めてだ。
何気ない日常の中の「人生初」に感慨を受けながら、スルスルと麺を啜る。
チャーシュー等の脇役も、スパイスと油でブーストのかかった美味しさを体験できる。
店主おすすめの背徳マヨネーズ体験
卓上に置かれている調味料の中に「マヨネーズ」があり、美味しい食べ方の張り紙の中で「店主が一番好きな油そば。卓上マヨネーズがおすすめです」と書いてある。
ポイントはマヨネーズをかけた後に混ぜないで食べることである。
そうすることにより、「背徳のマヨネーズ体験」の感度が上がる。
マヨネーズを麺の上にかけ、そのままパクッ。
「うん、マヨネーズの背徳感がたまらない。カレーとマヨネーズの相性◎。」
気づくと、無我夢中で食べ続け完食していた。
再訪|スタンダード油そばと“7つの魔法”
前回「カレー油そば」を食した俺は、実は前回食券購入時に迷っていたスタンダードな「油そば」を食べに船橋へ向かう。
ある魔法を使って、油そばを究極の一杯に仕上げるために。
「油カダブラ」では「昆布酢、レモン酢、マヨネーズ、自家製ラー油、胡椒、七味、醤油ダレ」の7つの卓上調味料が用意されている。

基本の油そばについて、店主が丁寧におすすめの美味しい食べ方を告知してくれている。

基本、店主がそのまま食べても美味しいように作ってくれてるんだけど、7つの魔法を使って完全体の一杯に仕上げる感じ。
「カレー油そば」は直感的に「マヨネーズ」しか使わなかったけど、スタンダードな「油そば」であれば思う存分に魔法を使うことができる。
店に着き、食券機で「特製油そば(300g)」のボタンを押す。
店員さんに食券を渡し、油そばを待つ。
油そば実食レビュー(そのまま→魔法の順に楽しむ)
いざ「特製油そば」が着丼。

やはり、特製にするとトッピングが豪華で映える。
その中でも大ぶりのチャーシュー3枚と煮卵、海苔が目を引く。
前回同様、ネギ、ほうれん草、きくらげも健在だ。
まずはそのまま麺を啜る。
オマール海老の自家製香味油と魚介スープが喧嘩しないで共存し、極ウマの一杯となっている。
このまま食べても間違いなくうまい。
そして、ここから「俺だけの最高の一杯」を探す旅が始まる。
卓上調味料は全部で7つあるので、最初から一気に丼全体にかけないように注意したい。
丼の極一部に少量かけながら、自分の味を探れば、調味料同士で喧嘩することもない。
7つの魔法を使い切って導いた“俺の正解”
そんなことを頭に思い浮かべながら、調味料をかける。
まずは、「昆布酢」をかける。
うん、麺がまろやかになる。
2番目は「レモン酢。」
さっぱりとした味に大変身。
完食手前のラストスパートで使いたい調味料だ。
3番目は「マヨネーズ。」
言うまでもなく、背徳で濃厚な味わいで間違いない。
4番目は「自家製ラー油。」
結構、辛味が強いけど辛さが加わることで大きく味が変わる。
俺的にはラー油を多めに使うと好みかも。
5番目は「胡椒。」
ラー油とは違うベクトルの辛さがほしい時にはこの魔法。
6番目は「七味。」
ラー油と胡椒とは違う種類の辛さがほしい時に。
7番目、ラストは「醤油ダレ。」
味が薄く感じた時には醤油ダレを入れることで味が濃くなる。
7つの魔法を全て使い、俺好みの一杯を探った。
結果として、俺としては7割くらいそのままの味で楽しんで、後半に「ラー油」、途中で「マヨネーズ」、締めに「レモン酢」でさっぱり・・・というのが基本コースになりそうだ。
卓上調味料を、その日の気分や体調で色々調整しながら使っていくのが、実に楽しい。
この楽しさを存分に味わえるのがスタンダードな「油そば」であることは間違いない。
三度目の訪問|特製背脂油そばレビュー
「カレー油そば」「油そば」と続き、次なる一杯は・・・
すっかり「油カダブラ」の虜になった俺は、再度訪問し、今回は「特製背脂油そば」を注文。

「背脂」と「香味油」と「魚介スープ」のマリアージュを体験したいと思ったからだ。
着丼した一杯を見ると、背脂の雪化粧が美しい。
麺を啜ると、二つの油(脂)が重なり合って旨みを形成する。
「背脂油そば」も漏れることなく個性的な一杯であることが確定した。
スタンダードな「油そば」と同様、7つの魔法を使うことが可能な味なのでぜひ注文してほしい。
四度目の訪問|特製辛油そばレビュー
辛いもの耐性はそんなに高くない俺だけど、「特製辛油そば(300g)」にチャレンジした。

初めて食べる「辛いもの」はその店ごとに基準が違うので、油カダブラではどうだろうか。
実は、客席の前の「美味しい食べ方」に答えが書いてある。
「辛油そば」は辛さ耐性がある人はよく混ぜて、辛さ耐性がない人はそのまま食べるということが書いてある。
俺の辛さ耐性は、おそらく標準ぐらいかと思われる。
蒙古タンメン中本の北極は辛すぎて食べきれないくらいの辛さ耐性・・・といって伝わるだろうか。
まずは混ぜずにそのまま食べる。
「ちょうどいい辛さで美味しい!」
このまま半分ほど食べ進める。
辛さもちょうどよく、箸がぐいぐい進む。
ここで、好奇心からよく混ぜて「辛さアップ」を狙い、食べてみることにした。
結論として「店主の言う通り辛さが増したな。でも、俺的にまだギリいける辛さだ。」
ただ、箸を進めるたび、辛さでヒーフーしてきたので、ちょっと辛さを抑えたい気分になった。
そこでマヨネーズをかけて食べてみる。
狙いどおり、辛さがまろやかになり、かつマヨネーズがめちゃ合う。
ここで舌を休めた後に、再度、「自家製ラー油」をかけたらどうなるかを実証。
「辛さは少しアップし、ごま油の風味が加わる」ので味変としてあり。
最後にレモン酢をひとかけする。
ちゃんと辛さの中にもレモンのさっぱりさが加わり、レモン酢での味変もよかった。
今回の「辛油そば」も辛さ成分カプサイシンが食欲を増進し体を温めてくれるので、寒い日に食べて体が温まり美味しかった。
まとめ
・7つの魔法を駆使して自分好みの一杯を完成させよう。
・7つの魔法体験をするなら、「油そば」がおすすめ。
・店主が一番好きな「カレー油そば」はマスト。背徳のマヨネーズ体験をしよう。
・少食でなければ「特製」がおすすめ。
・7つの魔法は後半戦に使用しよう。提供された1杯の後半に、「自家製ラー油」→「マヨネーズ」→「レモン酢」が俺が導き出した答。でもその答は一人一人違うから楽しみながら答え合わせをしよう。
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