今、日本では米騒動が起きている。
日本米の価格が約2倍で売られており、日本の国民食である白米が贅沢品の様相を呈している。
そんな中、この店では「ご飯無料、おかわり自由」でお客さんに提供しているという信じられないことを行なっている。
また、ご飯に合うきゅうりの漬物も自由に盛ることができるという、これまた併せてシンジラレナイことが重なっている。
前置きはこのくらいにして、まずこの店は家系ラーメンの店であり、家系ラーメンといえば熱々の白米ご飯を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
そんな俺も例に漏れることなく、家系ラーメンを頼んだら海苔を多めにし、海苔をスープに浸して、しなしなになってスープを吸った海苔をご飯に巻いて食べるのがたまらなく好きなのである。
それに加え、人に会う予定がなければ生ニンニクをすりおろしたものも一緒に巻いて食らう。
美味しさに浸るだけでなく、体も元気になってしまうという裏技的な食べ方であるが皆さんは実行しているであろうか。
そんな食べ方もこの店なら全てできてしまう。
着丼したラーメンには、ほうれん草、海苔、煮卵、チャーシューと家系四天王と言っても過言ではないくらいのトッピングが載っており、私が注文したのは「中盛MAX」であったが米を抜きにしてもコスパが良い。
早速、スープを飲み麺を食らう。
間違いない味で、スープの濃度、油の量もちょうどいい。
ご飯に合うこと間違いなし。
そして麺を半分ほど食べ終わったところで、海苔をスープに浸しご飯の上に乗せ口へ運ぶ。
嗚呼、最高の幸せ。
きゅうりの漬物もまたご飯がすすむ仕掛けになっている。
やっぱり、家系ラーメンにはご飯は欠かせない。
先述したが、やはり非の打ちどころのないラーメンとご飯なだけに採算が取れていないのではないかとお店の懐事情が心配になってしまう。
ご飯もふっくらもちもちで美味しかったのでおそらく日本米を使っているのであろう。
仮に違っていたとしても、美味しいご飯を提供しているのだからすごいことには違いない。
後で振り返れば間違いなく「あの時のお米は高かったよね(将来的にもっと高くなっているかもしれないが)」という歴史を刻んでいる真っ只中である。
俺が強く思ったのが、おいしいご飯を出してくれる店に対しての尊敬と感謝がまずあり、そして「米無料。おかわり自由」の裏にはお店の理念やプライド、そして「お客さんにうちの作った美味しいラーメンで美味しい米をたくさん食べてもらって満足して帰ってもらいたい」という想いがあるのではないかとふんでいる。
ーーーそういえば昔、といっても数十年前だが、日本米が全然なくて、タイ米だのカリフォルニア米だのを輸入して騒動になっていたこともあったな。
タイ米50%日本米50%のハイブリッド米とか。
当時はまだ小さかったけど、ひととおりの米を食べた中でやっぱり日本米が一番うまかった記憶がある。
今はもしかしたら品種改良などが進んでこれらの米も美味しくなっているのかもしれない。
何が言いたいのかというと、我が家も決して貧乏ではないが裕福というわけでもない中で、日本米が食卓に出ていたのは今思えば両親に感謝すべき出来事だったのであろう。
食育という言葉があるが、まさに麺と米で育ったのが麺食一郎である。
ーーー店の心意気と両親の優しさに感謝ーーー
なんてことを思った一杯であった。