兄弟であっても、同じにはならない|ラーメンと人生の話

すみれの姉妹店

北海道を代表するラーメンといえば「すみれ」。

誰も異論はないだろう。

そんな「すみれ」に姉妹店があるのは皆さんご存知だろうか。

その名は「純蓮」。

読み方によっては「すみれ」と読めなくはない。

しかし、すみれとは違う「純蓮」が正しい読み方である。

この純蓮ももちろん味噌ラーメンが売りの店のようである。

札幌といえば味噌ラーメン。

王道の系譜を継承する「純蓮」大いに期待がもてる。

純蓮の店の入り口に立つと行列ができている。

「純に蓮なる」店名そのままじゃん!

ぶっちゃけると人を多く集められるような場所にはないのかもしれないが、純蓮には人が大く集まっている。

マーケティングの法則に逆らった導線を構築しているのであろう。

大いに期待がもてる。

「すみれ」が超有名な妹だとしたら「純蓮」は少し影が薄いのかもしれない。

しかしながら、当然のことながら純蓮が全国区であることは言うまでもない。

広瀬すずと広瀬アリスのような関係を思い浮かべると理解が進むかもしれない。

そんなことを考えながら並んでいると券売機の前に到着した。

さあ、何を食べようか。

実はこの純蓮を食べる前にラーメンを1食食しているのである。

お腹を空かすと言う意味でも行列のできる店をチョイスしたのは自分で自分を褒めてあげたい。

味噌ラーメンを食べるのは決定として、やはりチャーハンが気になる。

姉妹店のすみれではチャーハン単独で冷凍食品で販売されてるので、ここ純蓮も期待できる。

ここはチャーハンも追加しよう。

席に着席し、ラーメンとチャーハンをまった。

そしてしばらくするといざ着丼。

まずはラーメンが着丼し、すぐにチャーハンも着丼した。

全然関係ないのだが着丼て響きよくない?

壁ドンみたいに周りの人をキュンとさせる響きがあるような気がする。

そんなことはどうでもいいとして、まずは麺が伸びないうちにラーメンから食べるのが俺の流儀。

いつもどおりまずはスープから。

油が浮いたアツアツのスープは生姜が効いていて、俺好みのスープ。

うまい。冬に食べると一層美味く感じるスープなのだろうが夏に食べても超うまい。

ここではあえて詳細に書かないが俺は生姜が大好きである。

スープはしっかりとした味付けの中に生姜の旨みを感じる。

麺をすするとスープが絡まって、この極上の味噌スープと共に口に入りはしを休める暇もなく口に運ばれる。

半分ぐらい箸が進んだところで、チャーハンに手をつける。

「????」

このチャーハンめちゃめちゃレベル高いぞ!

パラパラチャーハンで王道の出立をしたこの炒飯は、炒飯単独でも主役を張れるくらいの出来であった。

また、炒飯脇の紅生姜がなんとも心にくい。

焼きそばにもチャーハンにも紅生姜はかかせないと思っているのは俺だけではないだろう。

チャーハンを食べながら味噌スープをすすり麺もコメもあっという間になくなった。

うん、このゴールデンコンビは毎度のことながら至福の時間。

すみれと純蓮の兄弟店。

両方とも超一流の店であることに疑いはない。

ただ、兄弟だからといって同じ味なわけではない。

同じDNAなのかもしれない。兄弟だから似ているのかもしれない。

しかし、根底にあるのは別々の店ということ。

背景は似ていても歴史は違う。

人間社会の兄弟に当て嵌めても同じことが言えるのではないだろうか。

すみれも純蓮もそれぞれの個性でそれぞれの歴史を創ってきた。

そしてそれぞれの歴史に共感した客が、それぞれの店を支えてきた。

その根底にあるのは、創意工夫とそれぞれの努力。

両方の店を訪れることにより、ラーメンの奥深さに一歩ふれたような気がした。

生まれた境遇が歴史を創るのではない。

それぞれの意志が歴史を創るのだと感じた。

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