味噌ラーメン界のオオカミ「狼スープ」。生姜が効いた一杯が、10年の記憶を呼び覚ます

麺旅一郎企画では、もちろんラーメンばかり食べている。

そして、札幌のラーメンといえば味噌ラーメン。

例外になく、今回訪れたこの店も味噌ラーメンで有名な店である。

その名も「狼スープ」。

もちろん狼で出汁をとっているわけではない。

狼の中で有名なのはニホンオオカミであるが、ここ北の大地北海道ではかつて「エゾオオカミ」という種が明治初期まで生息していたらしいが今は絶滅したとされている。

札幌駅から中島公園駅まで電車で乗り、公園内を歩いて店へ向かう。

公園内にはこの日結婚式を挙げるであろう新郎新婦がプロのカメラマンによる写真撮影を行なっていたり、二人にとって忘れられない日の1ページを垣間見れたような気がして、こちらまで幸せな気分になってしまう。

正装した周りにいる人たちもこれから挙式に参加するのであろう。

そんな光景を横目にしてしばらく歩くと「狼スープ」に到着。

ーーーー実は、10年くらい前にこの店に来たことがあった。

その時は店の前に大きな賢そうな犬がいて、オスかメスかわからないが看板娘の役割を果たしていた。

看板娘と一緒に炎天下の中、行列に並んだのを覚えている。ーーーー

今回もすでに開店前から行列ができていたが、曇っていたので快適に店が開くのを待つことができた。

読書をしながらしばらく待っていると、いざ開店。

列に並んでいる時に注文を聞かれ、「全部のせ」的なスペシャルラーメンを注文していた。

写真を見てわかるとおり、大ぶりなチャーシュー、ワンタン、卵が入っている。

この卵は有精卵らしい。

もちろん食べるのは初めてだ。

開店と同時に席に案内され、店中に誰もが知っているであろう有名人のサインが天井までいっぱい貼られている。

以前に来たときも感じたことだが、待っている間に「あのサインは誰のだろう?」「おっ!あの人も着ているのか。」などサイン色紙に好奇心を寄せながらスペシャルラーメンの着丼を待つ。

そしてーーーーいざ着丼!

豪華な装いの黄金色に輝く味噌ラーメン。

まずはスープから。

「うん、この味!」

10年くらい前に食べた時に感動を覚えた味は変わることなく、いや、むしろ進化して再び口の中で蘇った。

10年という期間は恐ろしく長いはずなのだが、そこまで長い月日が経っているように感じない自分がいた。

どうやら歳を重ねていくと加速度的に時間が早く経つのを感じるらしい。

人生なんて線香花火のように一瞬の出来事なのかもしれない。

いや、地球が誕生した時に比べれば、人の一生なんて一瞬の出来事であろう。

この時代にこの地球に生まれてなければ食べられなかったであろう「このラーメン」は生姜が効いてパンチもありつつ優しい。

多くの有名人が舌鼓を打ってきたのも納得である。

美味しいラーメンが食べられるのは当たり前ではないことを感じつつ、ラーメンを完食し店を後にした。

ーーーーオオカミという種は絶滅したが、ラーメン界のオオカミ「狼スープ」は北の大地に逞しく生きているーーーー

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