『厨房で死ねたら本望だよ』|丸鶴の店主が教えてくれた生き様

1. ラーメン×チャーハンのゴールデンコンビ

ラーメン界の「修二と彰」「KinKi Kids」――それが ラーメンとチャーハンの黄金コンビ である。

「麺脇役」カテゴリでも紹介しているが、今回訪れた 丸鶴 は「チャーシューチャーハン」で有名な老舗町中華。

もちろん俺もチャーハンが好きである。しかしラーメン好きの血が騒ぎ、つい両方頼んでしまうのだ。

交互に箸を運ぶ背徳感。

「炭水化物をおかずに炭水化物を食べる」という魅惑のコンビは、単体の魅力をはるかに超えていく。

正直、最初は「チャーハンは主役、ラーメンは脇役」と思っていた。

価格も相場より安く、期待値は高くなかった。

しかし――それは完全に誤りであった。

2. ラーチャ(ラーメン×チャーハン)着丼

待ちに待った「ラーチャ」が運ばれてきた。

ラーメンはオーソドックスな一杯かと思いきや、目を引いたのは 三角のお揚げ である。

「きつねうどん」ならぬ「きつねラーメン」?

わかめ、チャーシュー、ナルト、シナチク…具材は豪華。

人生で初めて出会う「お揚げ入りラーメン」に心が躍った。

箸を伸ばし、まずはお揚げをひと口。

「しっかりと味が染みていて、スープと驚くほどマッチしている!」

続けてスープを飲み、麺をすすれば、出汁の効いた滋味深い味わいが広がる。

「いつまでも口に入れていたい」――そう思えるほどの完成度であった。

3. 店主の生き様が宿る一杯

ここで事前情報が頭をよぎった。

店主は幼少期から鍋を振り続け、半世紀以上この店で腕を磨いてきた人である。

台風の日も、体調の悪い日も、休むことなく厨房に立ち続けてきた。

背中には数本のボルトが入っており、救急搬送されたことも数知れない。

「毎週ここでご飯を食べてくれる人のために、休めないよ。本当に感謝だね。」

上辺の言葉ではない。命を削って鍋を振り、魂を込めて一皿を作り続ける男の言葉である。

YouTubeのインタビューで語った「厨房で死ねたら本望だよ」という一言。

これほどの覚悟を持って仕事に向き合える人が、世の中にどれだけいるだろうか。

ラーメンとチャーハンを食べながら、俺はその魂を受け取った気がした。

4. 一杯の先にある問い

「俺は一日一日に真剣に向き合ってきただろうか?」

「魂を込めて生きていると胸を張れるだろうか?」

給料や休みの多さを基準に仕事を選ぶのではなく、人生を懸けて打ち込めるものを持てているか。

丸鶴の一杯は、その問いを突きつけてきた。

「俺の人生、まだまだこれからだよな?」

そう心に刻みながら、帰路についた。

まとめ

  • 丸鶴は「チャーハンが有名」だが、ラーメンも魂が宿る完成度
  • 三角のお揚げ入りという唯一無二のラーメン体験
  • 店主の生き様がラーメンにもチャーハンにも宿っている
  • 一杯が人生を問い直すきっかけをくれた

ーーー丸鶴の「ラーチャ」は、背徳感と感動を兼ね備えたゴールデンコンビである。ーーー

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