中野・青葉本店──Wスープの原点と、優しさの味

総てのWスープはここから始まった。

魚介×動物系のダブルスープと呼ばれるものは、ここ青葉本店が元祖でありルーツである。

海の中にいる魚介と陸の動物系を掛け合わせるという発想は、今でこそスタンダードになっているが0から1にした功績は偉大である。

今では青葉はいろいろな場所へ暖簾分けしているが、ここ青葉本店は別格である。

写真を見てほしい。

どことなく、ラーメンから滲み出る優しさのようなものを感じないだろうか。

かなり前の写真であるので、今現在は丼や具などが変わってる可能性もあるのでその点は承知してほしい。

まず、この本店に行く前に何店舗か青葉は食している。

青葉の店自体、レベルは高いのだが店舗によって時の感じ方に違いが出るのも青葉のいいところだと思っている。

金太郎飴のようにどこを切っても同じラーメンが出てくるのは、それはそれでいいのかもしれないが店鋪ごとに味にブレが出るのはいい意味で個性と言えるのではないだろうか。

ここ青葉本店はどんな味なんだろう。

期待に胸を膨らませながら、駅から店舗へとゆっくりと足を運ぶ。

駅からの途中には「中野ブロードウェイ」や「中野サンプラザ」がある。

今では中野サンプラザは取り壊されたと聞くが、当時はまだそこに存在した。

店まで歩く道中も飽きることはなかった。

そして、居酒屋や食事所が並ぶ狭い路地を少し迷いながらもようやく店に到着した。

「ここがWスープの元祖、青葉本店か」

ラーメンの歴史に思いを馳せながら、店でラーメンを注文する。

到着したラーメンを食すとまず第一に感じたのは「優しい」という言葉が頭に浮かんだ。

魚介と動物系という何の関係もないものを掛け合わせた美味しいラーメンを考案し、歴史を創ったのは本当に頭が下がる。

そして美味しいだけでなく、口に入れた時に優しさを感じたのは暖簾分けした店では感じなかったが青葉本店ではそれを感じた。

他の店が本店に及ばないとかそういうことを言いたいわけではない。

個性として確実にその時「優しさ」を感じたのだ。

ーーー優しさって何だろうーーー

ふとそんなことを考えるとあるフレーズが頭に浮かぶ。

優しさって「気がつくとそこにあるもの」だよな。

人からなになにされたから、なになにさんは優しいとかそういう優しさじゃない。

あることに直面した時に心が穏やかになったり、朗らかな気持ちになったり、そういった優しさに近い。

自分が落ち込んだ時にそばにいてくれる優しさ。

自分が悲しくて涙を流している時に、一緒に涙を流してくれる優しさ。

そんな「優しさ」を一杯のラーメンから感じることができた。

ーーーダブルスープの原点は優しさでできていたーーー

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