上野の煮干しラーメン「さんじ」へ
煮干しに飢えていた俺は、一口スープを飲んだ瞬間、思わず頷いた。
上野には数多くのラーメン店があるが、その中でも煮干し好きなら一度は訪れてほしい店がある。
それが『さんじ』だ。
上野駅から歩いて徒歩数分のところに「さんじ」はある。
俺自身、煮干し系ラーメンは好きなジャンルであるため、上野でも食べられることが大変嬉しく思う。
煮干し系のラーメンの中でも、スープが透き通っているタイプの淡麗系と、スープが濁っているタイプの濃厚系、その中間のスープ・・・等々、同じ煮干しでもさらにジャンルは細分化される。
そんな様々な種類の煮干しラーメンを提供しているのが「さんじ」だ。
今回は「さんじ」で食べた煮干しラーメンについてレビューしていく。
御徒町方面ではなく稲荷町方面へ
ある日俺は、上野のラーメン店を開拓している際に、ふとあることに気づいた。
「俺が食べてるラーメン屋は御徒町方面が多いな」
そこで俺は、いつもと趣向を変えて、稲荷町方面の店に行ってみようと決めた。
御徒町方面だけでもかなりの数、美味しいラーメン屋がひしめいているのだが、稲荷町方面にも興味をそそるラーメン屋がたくさんある。
その中で、まず俺の興味を引いたのが「さんじ」だ。
早速歩みを進め、店に向かう。
さんじの豊富なメニューに驚く
店に着くと数人の並びができている。


先に食券を買ってから、店員に呼ばれるまで外で待つスタイルだ。
まず、食券機をみて種類が多いことに驚く。
さらに限定ラーメンの種類も多いではないか。
そして、個々のラーメンの名称も「さんじ」の世界観を感じるものとなっている。
初訪問ということもあり、「濃厚煮干し」のボタンを押す。
もちろん「和え玉」も一緒に注文だ。
余談だが、ラーメンの種類だけでなく和え玉の種類も多い。
外でしばらく待つと店員さんに中に呼ばれ、いざ着席。
久しぶりの煮干しラーメンに心を躍らせながら着丼を待つ。
和え玉については、好きなタイミングで店員に「和え玉お願いします」といえば提供してくれるようだ。
席で読書しようかなと思っている間もなく、いざ着丼。
着丼
濃厚煮干し

白い丼に濁ったスープ、大判のチャーシュー、海苔、ネギが載っている。
まずはスープから。
「そう、これだよこれ」
動物系のスープに負けないくらいの煮干しの風味。
濃厚という名に恥じないスープ。
煮干し好きにはたまらないビターな味。
煮干しに飢えていた俺にとって、「喉が渇いている時に飲み干すビール」に近いかも知れない。
次は麺を啜る。
浅草開化楼の麺を使っており、煮干しラーメンにはこれでしょというパツパツの細麺で、濃厚な煮干しの味をまろやかに喉越しよく体験することができる。
チャーシューも柔らかくて、そのまますき焼きにしても絶対美味いやつ。
和え玉
そして、半分ほど食べたところで和え玉を注文。

和え玉とは、「それだけでうまい油そばのようなもの」という表現が近いだろうか。
もちろんスープに替え玉感覚で入れても楽しめる。
注文した和え玉は「麺は細麺で加水率低めのラーメンと同じ麺」
チャーシューもラーメンと同じ肉を使っており、ブロック状にしたものが載っている。
ネギと玉ねぎもたっぷりの贅沢仕様。
ラーメンを注文する時の心得として、和え玉は絶対に注文したい。
食べ進めた終盤に、卓上調味料の胡椒で味変することも可能だ。
再訪
Crazy Crab ※2026年5月
すっかり「さんじ」の魅力に取り憑かれた俺は、そう遠くない日に再訪した。
券売機の中でどうしても気になる1品があった。
その名は「Crazy Crab」だ。
世の中にラーメン店は数あれど、このような名称のラーメンはきっとここにしかない。
直訳すると「いかれた蟹」といったところか。
名称から蟹は入ってあるであろうことは想像がつく。
問題は何がクレイジーなのかだ。
そんなことを考えているうちに着丼。

店員さんに「ニンニク使いますか?」と聞かれ、すかさず「はい、お願いします」と答える。
見た目には、とても食欲をそそるルックスでクレイジーさは感じない。
まず、クレイジーという単語は頭の外に置き、スープを啜る。
スープの表面の薄い油の膜に心地のいい塩味、濃厚な魚介の旨みを感じ、蟹の姿が垣間見える。
普通にレベルの高い美味しいスープだ。
パツパツの細麺が濃厚スープをぐいっと持ち上げて口に運べば、至福の気分が増幅される。
しばらくこの味を楽しんだ後に別皿の刻みニンニクを投入。
「わーお、クレイジー!」
濃厚な魚介の旨みを感じつつも、ニンニクの香りが鼻を抜ける。
魚介の旨みを残しつつも力強さが加わった。
人によって好みはあるだろうが、俺はこのパンチが加わった感じが好きだ。
想像を超えたところ、常ではなく非常を超えたところに「クレイジー」はあるのかもしれない。
ジンジャー玉 ※2026年5月
ラーメンを食べ終わった後の楽しみといえば、もちろん和え玉。
今回は生姜の入った「ジンジャー玉」を注文。

前回の和え玉がすごーく美味しかったため、期待値が上がる。
着丼した一杯をみて、あることに気づく。
「おや、和え玉とジンジャー玉のそれぞれで麺を変えてるぞ」
ジンジャー玉は、麺が太く少し縮れている。
いざ実食すると、麺がワシワシしていて歯応えがある。
生姜の風味も口いっぱいに感じる。
玉ねぎ、ネギ、チャーシューの豪華な具材も満足感を高める。
結論、ジンジャー玉「SAIKOU!」
帆立煮干 ※2026年6月
やはり、ラーメン激戦区上野であるにも関わらず、毎回選択肢に上がってくる「さんじ」
今日は、帆立煮干でキメる。

濃厚煮干も捨てがたいが、汚れを知らない少年少女の心のように透き通っている煮干清湯も捨てがたい。
写真を見てほしい。
透き通ったスープにうずらの卵、極上チャーシュー、チャーシューの下の玉ねぎに青ネギ。
スープを一口啜れば、程よい塩味の中に帆立と煮干の対峙。
麺は表面がツルッとしてやや硬めの中太ストレート麺。
麺とスープのバランスがGOOD!
もちろん、完飲・完食しました。
黒毛和牛脂玉(さんじ玉SP) ※2026年6月
着丼した丼を見て目を疑った。
「???スペシャルなのに具材が少ないぞ??」と心の中で呟く。

しかし、いざ食べ始めると「スペシャルな一杯だからこそ、あえて具材を少なくしている」ことに気づく。
麺に極上の牛脂が絡まり、牛脂の味を舌で感じると同時に風味が鼻を抜けて美味い。
牛脂が主役の麺を引き立てる影の主役なのだ。
核を決めて、それを最大限に引き立てるための引き算の発想。
人生と同じで、うまくするには足し算だけでなく引き算も必要だ。
そんなことを思った一杯であった。
さんじは何度でも通いたくなる店
ラーメンと和え玉を食べ終えた頃には、美味しいラーメンと和え玉で胃袋を満たされた満足感と同時に、「次は何を注文しようかな」という気持ちにさせられた。
淡麗系も気になるし、限定ラーメン、その他の和え玉等々、引き出しの多い店だなというのを強く感じると同時に、一杯食べただけでは「さんじ」の魅力を語り尽くせないので、定期的にリライトしていきたい。
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